出題傾向の予測がもっとも簡単で確度が高いものが理科と数学です。
今回はまず、理科の傾向から話したいと思います。(2/21追記 追記部分はハイライトをいれてあります。)
都立入試の理科は6つの大問から構成されます。
大問1 小問集合
大問2 レポート資料型 小問集合
大問3 地学分野(気象 天体 火山地震地層等)
大問4 生物分野(植物 動物 生殖等)
大問5 化学分野
大問6 物理分野(運動 電気)
大問1や大問2に関しては満遍なく出題されるのですが、
大問3~6で出題される分野はかなり限定することが出来ます。
大問1で出される小問は、基礎的な知識問題が多くなります。
広く浅く勉強することが重要です。
大問2ではレポート資料型の小問集合です。
密度や濃度、速さの計算問題も出題されるため、単なる知識問題ではなく
与えられた資料を基にしっかりと考える問題となっています。
特に会話文、説明文、資料などにかなりのヒントがちりばめられているのが特徴です。
知識がなくとも考えればある程度絞れる問題もあるので、しっかりと読み込んで解きましょう。
大問3 地学分野
地学分野は大きく3つに分類することが出来ます。
中1で習う地学(火山地震地層)
中2で習う気象
中3で習う天体
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
以下の表は学習指導要領が新課程となった年度からの出題をまとめたものになります。
H15~H24についても重要なデータとなりますが、今回は割愛させていただきました。

上記の表から考えると、
令和5年度、今回の出題は 天体(太陽、月、金星などの運動、見え方) が出題される可能性が高い単元であると予想できます。
R2、H28、H26、H21、H17年度の過去問大問3を見ておくとよいでしょう。
次点は、気象ですが、かなり低い確率であると思われます。気象と地学は大問1,2で一題ずつの出題になると思われます。
(2/21追記:結果 ● 次点の気象 が出題されました。 傾向の変化が見られます)
大問4
こちらは生物分野の出題で、
中1で習う植物
中2で習う動物
中3で習う遺伝
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
今年度は、動物(特に人体のつくり:消化酵素の比較対象実験)が狙われる可能性が高いでしょう。R2、H29、H25などの過去問を見ておくのがよいと思われます。
デンプンに反応して青紫になるヨウ素液と
糖に反応して、加熱後に赤褐色になるベネジクト液の反応
温度との関係性などは是非押さえておきましょう。
消化吸収される経路なども頻繁に狙われていますので、要チェックです。
(2/21追記:結果 ◎ 動物(人体のつくり・消化吸収の経路)など予想が完全に的中しました。)
大問5
こちらは化学分野からの出題です。
中3で習うイオン(中和、電池、酸と塩基)
中2で習う化合分解と酸化還元
中1で習う物質の性質
からの出題ですが、おおむね中3と中2の交互で出ることが多くなってきています。
昨年度に出題された中3範囲ではなく、中1、中2の範囲から出される傾向が高いと思われます。とはいえ、化学分野はかなり関連性の高い積み上げ教科であることからも特に山を貼る必要性はなく、満遍なく学習することが良いと思われます。
(2/21追記:結果 × イオン電池からの出題でした 予想が外れてしまいました)
大問6
こちらは物理分野からの出題で
運動と電気が交互に出題される傾向にあります。
昨年度に運動(力学的エネルギー保存の法則等)が出題されていますので、
今年度は電気分野が出題される可能性が高いと思われます。
電気と磁力の関係性(右ねじ、フレミングの左手の法則)や電気、電力、発熱量などを見直すのが良いでしょう。
過去問からはR3、R2、H30、H28、H26などを参考にするとよいでしょう。
電流の向きと磁界の向き、働く力の向きなどを法則から導けるようにしていきましょう。
(2/21追記:結果 ◎◎ 電気(電力・電力量)などが出題されました。予想的中です。)
最後に、近年は理科や社会での新たな取り組みが増えつつあります。採点ミスを防ぐために記述式の問題が減る一方で、平均点を調整するうえでも、単純な4択ではないマーク問題が増えています。理科においても、設問をしっかりと読み解く国語の力を要求しているため、まずは丁寧に本文、設問文を要求していることをおさえていきましょう。
大問3~6で出なかった単元は大問1,2において出題されます。4点分か12~16点分かという違いになりますので、まったく無視することはできません。大事なのは大問での出題のされ方(実験の方法、注意点、結果と考察)をよく知ることです。
大問4,5,6では比較対象実験の考え方をしっかり押さえることに注意して今一度直前の復習確認をしてみてください。
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