都立入試 理科 令和7年度出題予想とその対策
入試直前期ということで、都立入試の出題傾向と今年度の出題予想を共有していきたいと思います。
都立入試の理科は6つの大問から構成されます。
大問1 小問集合
大問2 レポート資料型 小問集合
大問3 地学分野(気象 天体 火山地震地層等)
大問4 生物分野(植物 動物 生殖等)
大問5 化学分野
大問6 物理分野(運動 電気)
大問1や大問2に関しては満遍なく出題されるのですが、
大問3~6で出題される分野はかなり限定することが出来ます。
大問1で出される小問は、基礎的な知識問題が多くなります。
広く浅く勉強することが重要です。
(特に2択で紛らわしい用語などはしっかり意識して区別することが大事です。)
大問2ではレポート資料型の小問集合です。
密度や濃度、速さの計算問題も出題されるため、単なる知識問題ではなく
与えられた資料を基にしっかりと考える問題となっています。
特に会話文、説明文、資料などにかなりのヒントがちりばめられているのが特徴です。
知識がなくとも考えればある程度絞れる問題もあるので、しっかりと読み込んで解きましょう。

大問3 地学分野
地学分野は大きく3つに分類することが出来ます。
中1で習う地学(火山地震地層)
中2で習う気象
中3で習う天体
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
昨年度は予想通り天体から出題されましたので、この傾向が続く場合、
今年度は、地学(火山、地震、地層)が出題される可能性が高いでしょう。
上の表は学習指導要領が新課程となった年度からの出題をまとめたものになります。
H15~H24についても重要なデータとなりますが、今回は割愛させていただきました。
上記の表から考えると、
令和7年度、今回の出題は 地学(火山、地震、地層)が出題される可能性が高い単元であると予想できます。
R4、H31、H30、H27、H23、H20年度の過去問大問3を見ておくとよいでしょう。
特に大問で出題される際に問題となりやすい、柱状図の比較と地層の傾き、堆積岩などの体積した環境の変化の解釈、地震の速さと時刻の計算問題などはよくチェックしておきましょう。またプレートと地震の発生の仕組みなどは過去に多く出題されていますが、新課程からは世界規模のプレートと地震の発生についても学習範囲に組み込まれています。地理で習った範囲と重複していますが、日本周辺の4つのプレートを含め、世界のプレートと地震発生地域などはよく抑えておきましょう。
大問4 生物分野
生物分野は、
中1で習う植物
中2で習う動物
中3で習う遺伝、生態系
以上の三つが順番に出される傾向にあります。
順番通りにいくと、今年度は遺伝、生態系が出題される可能性が高いでしょう。
遺伝の分野では新指導要領から用語の変更があります。優性→顕性、劣性→潜性という用語の変化にも気を付けましょう。さらに遺伝の法則と比率の計算問題については必ず出来るようにしておきましょう。令和4,H31、H28、H26年度の過去問大問4が参考になります。
生態系が大きく大問でとりあげられたのはH21のみですが、余裕があれば確認しておくとよいでしょう。
大問5 化学分野
化学分野は
中1で習う物質の性質
中2で習う化合分解と酸化還元(質量保存則と比例反応)
中3で習うイオン(中和、電気分解と電池、酸と塩基)
からの出題です。おおむね中3と中2の交互で出ることが多くなってきていますが、昨年は中1で習う溶解度曲線を中心に出題されました。
今年度は化合分解と酸化還元反応などが狙われるのではないかと思います。しかし化学分野はかなり関連性の高い積み上げ教科であることからも特に山をはる必要性はなく、満遍なく学習することが良いと思われます。化学反応式だけでなく、分子や原子などのモデル図による表現方法にも慣れておきましょう。
大問6 物理分野
物理分野は
運動と電気が交互に出題される傾向にあります。
昨年度に運動が出題されていますので、
今年度は電気分野(電流、電力、電磁力)が出題される可能性が高いと思われます。
基本的なオームの法則から電力、電力量、フレミングの法則、右ねじの法則など一通りの問題を解いておくとよいでしょう。都立の大問では実験、結果、表、図など情報が分散して書かれており、それを総合的に読み取って解くことが必要になります。
過去問からはR5、R3、R2、H30、H28、H26年度などを参考にするとよいでしょう。
大問3~6で出なかった単元は大問1,2において出題されます。4点分か12~16点分かという違いになりますので、まったく無視することはできません。大事なのは大問での出題のされ方(実験の方法、注意点、結果と考察)をよく知ることです。
大問4,5,6では比較対象実験の考え方をしっかり押さえることに注意して今一度直前の復習確認をしてみてください。
また、今年度は新課程に完全移行して2年目です。
以下の新課程内容については過去問では触れられていないのでよく注意しておきましょう。
生物では遺伝(優性→顕性、劣性→潜性)での用語の変化、
物理ではプリズムによって白色光が様々な色の光に分かれること、
地学では地球規模のプレートと地震の分布などに着目すること
化学では同位体の存在(中性子の数が異なる原子)やダニエル電池
以上、これらはすべて当塾の予想に過ぎません。
あくまで直前の短い時間に、何をすべきか、という観点で、出題可能性の高いものを中心に時間を多く使いたいという方に向けて発信しています。ご了承ください。
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