日本英語検定協会は、実用英語技能検定(英検)に、2級と準2級の間となる新しい級を導入すると発表しました。1994年に準2級を新設してから31年ぶりの新しい級導入となります。
英検は従来、準2級は高校1年生レベル、2級は高校卒業時レベルという設定をしてきました。協会が発表した資料(リンク)によると、今回導入する級はその間を埋める高校2年生レベルを想定したレベル設定になりそうです。
英検協会が公表している理由によると
準2級と2級の間には大きなギャップがあり、
その準2級と2級のギャップを埋めることで、学習者に身近な目標を提供し、
小さな成功体験の機会を提供することで、学習者のモチベーションの維持・向上を図る
という目的での新設だそうです。
これまでにも準1級や準2級など級のギャップを埋める変化がありました。
創設から60周年を迎えた英検の変遷を簡単にまとめておきます。
近年では2015年から大学入試における英語の資格試験活用をめぐる動きによって大きな変化がありました。従来英検は合格不合格のみの判定でしたが、CSEスコアという数値化がされることによってTOEICやTOEFLのようにスコア判定がされるようになりました。国際的な採点基準、統計手法の導入、4技能化が進められました。
ライティングが求められたことは概ね良い傾向だったのではないかと個人的に思います。
ここ数ヶ月で英検からは
①2024年、問題形式リニューアル
②AIによる採点の導入検討
③2025年、準2級~2級間の新しい級導入
など様々な発表がなされています。
学習指導要領の改訂により、現在の中学生高校生の英語の教科書レベルは上昇し、生徒の学習基準も同様に上昇しています。下の画像にある目安も少しずつ現実と差が出始め、現在では小学生で4級5級、中学3年生で3級準2級2級が当たり前のようになりつつあります。
現在は対策をすれば容易に高得点が取れるライティングの影響で2級も取りやすい状況ですが、2024年の問題形式リニューアルによってまたバランス調整がされ、少し難しくなるかと思います。そうなったときに、その間を埋める級として2級と準2級の間に新たな枠が必要になるのかもしれません。
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