2024年 英検が2016年以来の改訂を行い、問題形式をリニューアルすることが発表されました。前回の7月のブログ記事でも書きましたが、その後リニューアル内容を英検協会が詳しく説明して下さる機会があり、私も「英検 問題形式リニューアル説明会」に参加してきました。今回はその内容について、皆さんと共有したいと思います。
今回の説明会では、すでに発表されている内容に加えて、安河内哲也先生による「ライティング新設問題の解法や採点の観点」について説明を聞くことが出来ました。
個人的に新しく知った情報は以下の三点です。
①4技能の配点(均等配点)は変わらない。
②要約問題は4つの観点(内容・構成・文法・語彙)で採点(1級~2級)
③Eメール問題は3つの観点(内容・文法・語彙)で採点(準2級~3級)
1,4技能の配点は変わらない
Reading(読む)Writing (書く)Listening(聞く)Speaking (話す)の4技能で均等配点なのは変わらない。
2級であれば、4技能各650点で 全体650×4=2600満点の配分は変わらず。
Writingが問題数は意見英作文と要約の二問に増加するものの、全体で650点なのは変わらず。Readingも問題数は減少するが、全体で650点なのは変わらない。
2.要約問題は4つの観点で採点
新傾向の要約問題については動画での詳しい説明がありました。安河内先生による説明についてはYoutubeの動画アドレスも紹介いただきましたので、こちらでも共有したいと思います。25分ほどの動画ですので直接ご覧になりたい方は是非リンクからご覧ください。英検協会の公式からの貴重な情報です。
【特別講義】英検を活用して4技能を伸ばそう!ライティング新形式で書く力を育てる方法(安河内哲也先生)
チャンネル:Eiken Foundation of Japan
英文を要約するという問題形式は東大など国公立大学や一部上位の私立大学でしか出題されていませんので、経験の無い方も多いかもしれません。おそらく多くの受験生がとまどうのが要約でしょう。この動画では出題サンプル(2級用)をもとにその要約の手順を説明してくれています。
①文章全体で伝えているメッセージを捉える
②パラグラフ毎の重要なポイントを盛り込む
③具体的表現を抽象的表現にまとめる
普段から論理マーカー(ディスコースマーカー)に着目して、文章全体の論理展開に気を付けながら読んでいる人にはさほど大きな問題はないかと思いますが、そういった読み方が出来ている学生さんは少ないと思います。
動画の5:20 あたりからが要約の説明になりますので、要約問題を解いたことが無い方は是非ご覧ください。
要約問題を解くようになると文全体のマクロ的な見え方が養われて明らかに文全体の構成や予測読みがクリアにできるようになります。英文要約系は東大受験層に向けて書かれた本が多いため、多少難しい本が多くなりますが、以下の2冊をオススメしておきます。
①成田あゆみ・日比野克哉『ディコースマーカー英文読解』 Z会出版
②竹岡 広信 『厳選30題で学ぶ! 英文要旨要約トレーニング』 駿台出版
学習する際は是非、学校の先生や塾の先生に添削をお願いしてみてください。
実際に英文を書かずとも、簡単なメモを取ったり、構造を図示したりするだけで圧倒的に読解のレベルが上がると思います。
3.Eメール問題は3つの観点で採点
Eメールの返信問題はすでにGTECなどで導入されている形式の問題でもあります。
メール文への返信として、具体的な質問をしたり、質問に答えたりする内容です。
GTECとの違いはメール特有の冒頭と末尾のあいさつ、お礼などはすでに書かれていて書く必要が無いことです。英検のサンプルでは内容部分だけの英作になっているため、書くべきことはかなり限定されていて、工夫する余地はあまりありません。動画では準2級を例として、安河内先生が答え方のポイントを説明してくれています。ポイントは以下の3点です。
指示をよく読んで厳守する
「二つの質問」などのタスクをこなす
相手のメールの質問にも答える
準2級の方ではメール内に相手が質問してきているため、タスク以外にもメールでの返答が必要な要素があります。問題サンプルはこちらになります。
メールでは意見文英作や要約英文の採点基準と異なり、「構成」の観点がありません。
指示をよく読み、書くべきことを書くだけでよく、メール文特有のお約束も必要ない形式です。おそらく多くの受験生はさほど苦労することなくクリアできるのではないでしょうか。
今回参加した説明会では以上の内容以外に数件の質疑応答が可能でした。
今回知ることが出来なかった質問については後日英検協会の方からQ&Aをあげてくれるとのことでした。新しい情報が上がり次第、こちらの方でもお知らせしたいと思います。
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